こぐまの散歩道

目にするもの、手の隙間からこぼれ落ちるものをみつめる

新聞記事メモ(2018/12/06)

■【インフラ×IT】政府、インフラ補修の情報共有 [日経朝刊 2018/12/06]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37889740X11C18A1PP8000/

«抜粋»

・政府は2030年をメドに道路・橋梁等のインフラの補修データを全国で共有・活用する仕組みを整える。

・高度成長期以降に整備したインフラは今後、老朽化が急激に進む見通し。

・災害で損傷した後で修繕するよりも、損害が軽い段階で修繕するほうが、インフラを長期に使うことができ、全体的な維持費も安くすむ。

・具体的には、特殊なセンサーを使用して道路内部の空洞を把握したり、全方位カメラで道路表面のひび割れ状態を確認し、補修工事が必要な箇所を割り出す。

 

«所感»

→まず、上記のようなセンサーやカメラを全国にばらまけるのかという疑問はありますが、そのデータを集めた上で、どのような機能があれば全国職員が活用できるか?というのも考える必要があるかなと思いました。例えば「道路、補修」で検索かけたら1000件ヒットしましたと文字列が並ぶような画面はかなり使いにくいですし。

→例えば、「ここの補修はうちのあそこの道路と似てるな」という推測を支援するような機能を技術で実装できるか?という対策として、ひび割れの酷さに応じて赤黄青色のように画像を色塗りできるAIを開発して、共通パターンを見つけやすくする等

 

 

■【MaaS】 DeNA「0円タクシー」[日経朝刊 2018/12/06]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38597880V01C18A2TJ2000/

«抜粋»

DeNAは5日、運賃を広告主が負担する「0円タクシー」の配車サービスを都内で始めた。

・「0円タクシー」は車体や車内の画面で広告を掲載する。日清食品がスポンサーとなり、同社の即席麺の広告を掲載する50台を運行させる。

・タクシーの運賃は法律で範囲が決められている。運賃を広告主やDeNAが負担する仕組みにして、法律的な問題をクリアしたという。

 

«所感»

→すごいことを考えますね。面白いです。

→しかし考えてみれば、テレビ番組もそうですし、Googleも情報を無料で検索できる代わりに広告料で成り立つ仕組みですし、サービスを受ける人にもお金を出す人にも価値がある仕組みをタクシーで導入するとこうなる、ということですね。

 

 

■【自動車】 トヨタ等、後付できるアクセルとブレーキ踏み間違い防止装置を発売

[日経朝刊 2018/12/06]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38597970V01C18A2TJ2000/

«抜粋»

トヨタが売り出した安全装置は障害物が近くにある状態で強くアクセルを踏むとブザーが鳴り、急発進を防ぐ。さらに強く踏むと加速を抑える。

・新車の多くが安全装置を搭載する一方で、保有台数に占める割合はまだ小さい。後付け装置の販売で安全機能の普及を目指す。

・75歳以上の運転免許保有者は国内で500万人を超え、高齢ドライバーへの対応が重要性を増している。車関連各社はシニア層のニーズの取り込みを急いでいる。

・高齢化が進む日本で開発した技術やサービスは海外にも展開できる可能性がある。安全や安心は車の基本的な性能と位置づけ、各社は開発に力を入れている。

 

«所感»

→そもそも正反対の動きをするアクセルとブレーキを、踏み間違いやすい左右の位置に置くという構造的な問題もありますが、今更変えられないですし、新車ではない既存車にどう対策を実装するかということで、さすがトヨタと思いました。

 

新聞記事メモ(2018/12/04)

■【政策】 大企業の研究連携を支援 委託費用の一部、税優遇へ

[日経朝刊 2018/12/04]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38491730T01C18A2EE8000/ 

«抜粋»

・政府・与党は企業や産業の垣根を越えたオープンイノベーションを促すため、大企業同士の委託研究への税優遇策(費用の一部を、法人税額から差し引く)を新たに設ける方針。控除できる範囲を、委託費用の15~20%にする方向で調整する。

«所感»

→企業・産業の垣根を超えた研究への支援といっても、まんべんなくやるのか/特定の分野に絞るのか等、どういう形で未来の技術を育みたいのか国の動きを追いかけていきたいと思います。一方で、国策として伸ばす分野以外にもキラリとひかる種を作り続けることも大切なので、そこの部分をどう基礎研究を下支えするか、クラウドファンディングのような支援の仕組み等、というのも関心がある分野です。

 

 

■【働き方改革】 三井住友銀、サテライトオフィス導入

[日経朝刊 2018/12/04]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38469110T01C18A2EE9000/ 

«抜粋»

三井住友銀行は、従業員が自宅の近くなどで働ける「サテライトオフィス」を来年4月から順次整える。

・まずは東京・新宿・三鷹、横浜で試行する。業務として、貸出先の企業を訪ねた際の記録をつくったり、企画書や提案書を練ったりするのに使ってもらう。

・同行では昨年春から3年間をかけ、約430にのぼる全店舗のデジタル化を進めている。

«所感»

→ホワイトカラー業務については、対面のほうが仕事しやすいもの、書類・人に安全にアクセスできれば場所を選ばなくてよいもの、などなど、その仕事の仕方・仕組・使命を踏まえて整理したらサテライトで出来るものも少なくないでしょうね。

 

 

■【デジタル決済】 引き金は「アリペイ」、楽天KDDIの提携

[日経朝刊 2018/12/04]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38498340T01C18A2TJ2000/ 

«抜粋»

・2019年10月に携帯電話事業に参入する楽天KDDIau)との提携を決めた。

KDDI楽天の提携は、新規参入者である楽天が大手のKDDIに従うという単純な構造ではなく、KDDIが持つ通信インフラ設備と携帯電話という「かつての価値」と、楽天がもつポイントやQR決済によるデータ収集ノウハウという「未来の価値」とのバーター取引といえる。

・提携の背景として、アリババをはじめ中国企業がネットサービスで急速に飛躍するなか、日本企業にもネットサービスで成長が求められていることがある。

«所感»

→最近、キャッシュレスの話題が色々増えてきたなと感じてきました。また企業を取り巻く環境の中での動きとしても、おもしろいなと思いました

新聞記事メモ(2018/12/02)

■【観光】外資に買われる「ニセコ

[日経朝刊 2018/12/02]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38450330T01C18A2CC1000/

«抜粋»

・北海道の「ニセコ地区」が外国人によって姿を変えている。パウダースノーを求めて世界中から集まるスキーヤー外資を呼び込み、不動産投資が過熱。

ニセコ地区である倶知安町が人口約1.5万人、ニセコ町が0.5万人に対して、外国人観光客は両町合わせて年間27万人に達する。

・2000年代にオーストラリアで雪質の良さが話題となり、外国人客が一気に増えた。冬季は住民登録して半ば住み着く人も多く、倶知安町には18年3月時点で約1300人の登録があった。

・不動産会社の男性(25)は「荒れ地でも物件さえあれば必ず売れる。スキー場周辺の取引相手は9割が外国人だ」。

・町観光課の福家朋裕課長は税収増などの効果は歓迎するが「過度な開発は豊かな自然を損なう。行政が制御できる時期は過ぎてしまったかもしれない」と話した。

«所感»

地域活性化における一つの形として外資による活性化というのもあるだろうと思いますが、ある一定割合を超えた時に地方行政で何が起こるかということも興味深いなと思いました。

 

 

■【IT×資金】月額100円から芸術家支援、パトロンの層厚く

[日経朝刊 2018/12/02]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38375680Q8A131C1TM3000/

«抜粋»

・イラストや音楽などの「創作活動をする人」と「支援したい人」をつなげるサービスが増えている。支援者は毎月決まった額を送り、見返りとして一般公開されない投稿を閲覧できたり作品を受け取れたりする。高価な作品を買うのはハードルが高いが、月数百円から継続的に支援できると人気を集めている。

 例:ピクスタ社が提供するサービス「mecelo(メセロ)」https://mecelo.com/

 例:GMOペパボの「SUZURI People(スズリ ピープル)byGMOペパボ」)https://people.suzuri.jp/

・日本人は金銭的な支援をためらう人も多いが、近年はインターネット上で小口資金を募るクラウドファンディングや「SHOWROOM」に代表されるライブ配信投げ銭機能が浸透しつつある。

«所感»

→単なるアイデアですが、例えば地域に住む芸術家への寄付活動も「ふるさと納税」の対象寄付金とするような動きも出てきたら面白いだろうなと思います。

→資金をどう社会的に還流するか?というのは、従来は国・政府や大手企業(特に明治や昭和の戦後に起業した所はどこもミッションや社是にそういう内容が含まれていることが多いですよね)がトップダウンで担っていた面はありますが、今後はテクノロジーが発達することにより、ボトムアップ型の「資金の還流の仕組み」が出てくるのかもしれないと思いました。

 

 

■【政策】年1兆円、都から地方へ

[日経朝刊 2018/12/02]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38448450S8A201C1EA2000/

«抜粋»

・政府・与党は2019年10月の消費税増税にあわせて、東京都の税収を年1兆円規模で地方に再配分する方針を固めた。

・企業が支払う地方法人2税(事業税、住民税)のうち、都道府県が集めている法人事業税の一部を国税にする。人口を主な基準にして地方に配り直す仕組みにする。国税化される額は企業の多い東京など大都市の方が大きく、地方は小さい。人口比で再配分すると差し引きで大都市は減収、地方は増収になる。

・東京都の税収は5兆円。このうち法人2税は約1.8兆円。今回の新たな再配分措置で法人事業税0.5兆円減収、法人住民税0.5兆円程度の減収になる見通しで、税収入全体の約2割が地方に再配分されることになる。

«所感»

→「都市から地方へ」という国の大号令のもと、これまで潤沢な人と税収を集めていた東京都としては、ふるさと納税により地方に税収が分散し、更にまた税収が分散することになります。

→これまで、地方から東京を眺めたときに、「税収を稼げるようになる大人の30-40年間に東京に人が吸い取られ、リタイアで地方に戻ってきて更に医療介護負担が増す(税収の旨味を東京ばかりが、、という)」というのがあります(実際に似たような怨嗟をこれまで色々な場所で直接聞きました)。

→ただ、地方自治体の立場でみると、再配分で税収が増えたら社会問題が解決するわけではなく、自分たちの持ち駒・資源・人財でどうサバイバルしていくか?ということを自分たち自身で知恵を絞る必要があり、そこに向けた支援として民間企業側ができる動きは何か、というのもますます大切になってくるだろうと思いました。

 

 

■【政策】幹部人材 都市から地方へ

[日経朝刊 2018/12/02]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38438900R01C18A2EA3000/

«抜粋»

・大都市圏で働く40~50歳代の管理職を、地方企業に幹部人材として紹介する仕組みを官民10社が連携して仲介サイトを立ち上げる。年収が700万円以上の求人に限定し、地方への転職を後押しする。

・取引先の情報を持つ地方銀行にも、今回の枠組みに参画してもらう方向。

«所感»

地方自治体は企業や人を誘致しようと、企業向けにはサテライトオフィス事業、人向けには観光・や移住支援事業を個別に展開していますが、雇用面・仕事面の支援がなかなか難しい側面がある中で、今回のような国による人材紹介サービスの動きもできたのかなと思いました。

 

新聞記事メモ(2018/10/31)

■プリファード社長「スマホの次は個人向けロボ」

[日経朝刊 2018/10/31]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37145880Q8A031C1TJ2000/ 

«抜粋»

・AI開発のプリファード・ネットワークスの西川徹社長は30日、日本記者クラブで記者会見し「パーソナルロボットは、パソコン、スマホに続く産業になる」と話した。端末に左右されずに動く基本ソフト(OS)が普及を後押ししたパソコンを引き合いに、「多くの開発者が簡単に自由自在にアプリケーションをつくれる仕組みが必要だ」と指摘した。

・プリファードは自動運転技術で使うAIも開発。IT企業や半導体など業界をまたいで世界的に開発競争が激しくなっている。

 

«所感»

→先日幕張メッセで開催されていたIT・家電見本市CEATECでも、プリファードが大きく出展していました。かつては東芝やパナやSONYが家電新製品や大型TVを宣伝していた見本市も、ここ数年は「スマートなんとか」が増え、トヨタやホンダ等の自動車が出展し、今年はデジタル、AIが目白押しで、東芝が消え、パナが電子デバイス部門に移動し、プリファードが出展するのも大きな時代の流れを感じました。

 

・プリファードの展示内容「全自動お片付けロボットシステム」 

https://www.preferred-networks.jp/ja/news/pr20181015

 

CEATECでプリファードのプレゼンを聞いてきた内容がとても興味深い視点とコンセプトだったので共有します(以下、思い出しながらの言葉なので不正確です)。

・これまでのIT・ロボットの使われ方は、リアルの世界にある情報をデータに変換して、PC画面に表示することに集中していた。人が情報認識・意思決定をするための使われ方が中心だった。また、工場のように整然とした中で・工程が決まっている中での活用が中心だった。

・しかし、リアルの世界は非常に混沌としている。家庭の中もそうであるように、どこに何があるかは定まっていない。

・これからの時代は、混沌としたリアルの世界の中で「ロボット」が情報を取得し、それをAIが判断し、「ロボット」が行動するという時代がくる。かつてPCが色々な業種業界を席巻したが、これからはロボットが情報を自動的に取得し、「データ」はより爆発的に増えていく。その時代にどのようなビジネス・ソリューションが生まれるかはまだわからない。

・プリファードは、その時代に求められる技術・システムを開発していく。

 

«参考»

プリファード・ネットワークス

https://www.preferred-networks.jp/ja/

 

 

■デジタル課税「見切り発車」

[日経朝刊 2018/10/31]

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37124460Q8A031C1FF2000/ 

«抜粋»

・英国政府が2020年4月から他の先進国に先行して、IT大手を狙い撃ちにした新たなデジタル課税の導入に踏み切る。G20EUでも主要テーマであったが合意形成が難航、しびれを切らした英国の見切り発車により、独自のデジタル課税を導入する動きが加速する可能性もある。

・新税制案の対象は、ソーシャルメディアのプラットフォームや検索エンジン、オンライン取引を手掛ける業者。IT企業が英国で稼いだ売上高に2%課税する。世界の売上高が年間5億ポンド(約720億円)以上の黒字の事業部門だけを対象にする方針。